2009年9月7日月曜日

[395] 吉村弘 - Wet Land


Label: 東芝EMI Eastworld
Catalog#: HRH-1001
Format: CD, Album
Country: Japan
Released: 1993
DISCOGS

1 ウェット・ランド Wet Land 4:33

2 水のきらめき Singing Stream (Spring Mix) 7:39
3 ハート・ランド Heart Land 4:32
4 かわも Ka Wa Mo 2:04
5 ミスト Mist 4:52
6 レイン・ダンス Rain Dance (Rain Mix) 7:29
7 ドーン: 夜明け Dawn 3:01
8 水のささやき Humming Water 3:34

2月頃に立ち寄った万代書店の、ヒーリングCDの棚の前でこれは一体何なのだろうとしばし考え込んだ一枚。公のディスコグラフィに記されていなかったため、おそらく同姓同名の別の作者によるものかもしれないと思いつつ、少しの期待を胸に隣にあった同じシリーズの「スマイル・オブ・ザ・サン」と一緒に買って帰ることにしました。そのCDを聴いてみたところ、やはり吉村弘の音。川のせせらぎや雨の音と重なる、やさしく穏やかなシンセサイザーの音色。音数が少ないオーソドックスな環境音楽調の曲と、ハウス〜ダウンテンポのビートを導入した曲が、川の流れの緩急のようにバランスよく組まれており、森をモティーフとした96年作「Quiet Forest」の水版といった印象を抱きました。

故・吉村弘氏は日本における環境音楽の第一人者であり、サウンドスケープの観点から環境と音の関係(聴くことや、音そのもの)に積極的に向き合った存在。地下鉄の発車サイン音や美術館のサウンド・ロゴ、水族館などの環境音楽制作、造形美術作品、それに数々の手製楽器や音遊びの楽しさを伝えるワークショップなど、その活動は音楽家の域を大きく超えたものでした。
「ウェット・ランド」は、93年4月に東芝EMIのレーベルEastworldから「心の音楽」シリーズとしてリリースされた作品。録音は92年10月。全5作のこのシリーズは、#1 吉村弘「ウェットランド/気分をやわらげるために、#2 石川鷹彦「無限なるこの大空/ストレスを解消するために 、#3 内藤孝敏「音の森林浴/疲れをいやすために 、#4 朝川朋之「エンドレス・タイド/眠れぬ夜のために、#5 森本浩正「スマイル・オブ・ザ・サン/元気をとりもどすためにという風に、各作品に自然のイメージと効用を示すサブタイトルが添えられています。発売元のデータ・アーカイブには作曲者名は残されておらず、リラクゼーション音楽としての実用を目的としたアノニマスな作品として管理されていたのかもしれません。パッケージにも曲名など最低限の情報しか表記されていませんが、心地よい音楽に耳を傾けながら、当時の作者の意向に思いをめぐらすのもまた楽しいです。

0 件のコメント: